イギリスの経済ではイギリスの国民経済について記述する。
イギリスはEUとG8の一員であり、為替レート換算の国内総生産で世界第6位、PPP換算では世界第7位の経済規模を持つ。これは欧州内で比較すると為替レート換算でドイツ・フランスに次ぐ第3位で、PPP換算でドイツに次ぐ第2位の規模である(2008年)。首都のロンドンはニューヨークと並び、世界で最も規模の大きい金融の中心地である。イギリスの経済はしばしばアングロサクソンの経済と説明される。イギリスの経済はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドによって構成されている。
1940年代以降に国営化された多くの企業は1980年代以降、特にマーガレット・サッチャー政権下において民営化された。
近年、イギリスは最も長期間の経済成長を続けている。インフレ率・利率・失業率においては比較的低いままである。一方、所得の不均衡の指標はEUの中で高い水準にある。2005年のイギリスのGDP成長率は1.8%であった[2]。財務大臣のゴードン・ブラウンは2005年の成長率が予想よりも低かった主な原因として原油価格の上昇、住宅価格上昇の鈍化、個人消費の減速を挙げた[3]。
さらに、2008年にはアメリカ合衆国のサブプライムローン問題の影響をまともに受けて金融不安が増大した上に、資源、食料の高騰の直撃を受け、アリスター・ダーリング財務大臣が「過去60年間で恐らく最悪の下降局面に直面している」と非常に悲観的な見通しを明らかにしている[4]。
[編集] エネルギー資源
イギリスは大量の石炭・天然ガス・原油を埋蔵している。GDPの10%はエネルギー製品が占めており、この値は先進国では最も高い。北海油田により、イギリスは1990年代に西ヨーロッパではノルウェーに次いで2番目の産油国となった。また炭化水素の輸出も行っている。2004年の6月に初めて炭化水素の輸出量が輸入量を下回ったが、一時的なものと考られている。
イギリスの電力は75%が化石燃料によって作られている。原子力発電が19%を占め、残りの約6%は水力発電や風力以外の再生可能エネルギー、そして増加しつつある風力発電である。イギリスは世界で7番目の二酸化炭素排出国であるが、炭素排出量の2.3%は化石燃料による発電によるものである。イギリス政府は京都議定書に署名しており、二酸化炭素の排出量を合意した内容以上に減らすことを目的とした気候変動プログラム (Climate Change Programme) を発表した。
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